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イーハトーヴォ岩手

暗黙のうちに岩手に行くことにしていました。日本三大麺巡り。あるいは、子どもの時からの社会科の授業ででてきたリアス式海岸を見るために。
9月の連休を利用し3泊4日の旅。一つの県で3泊するとは珍しいのですが見どころがたくさんあるので充実の旅になりました。

東北新幹線、一関で降り、レンタカーで平泉〜高田松原〜浄土ヶ浜〜田老(1泊目)〜鶯宿温泉(2泊目)〜盛岡(3泊目)〜花巻〜盛岡で新幹線で横浜に戻る行程です。

1日目、朝7:04東京発で一関へ。一関は岩手県の南部の市です。駅構内には日本的な飾りが展示されていました。
毛越寺(もうつうじ)庭園へ。芭蕉の句、「夏草や兵ものどもが夢のあと」、が石に彫られています。そして新渡戸稲造英訳の同句の句碑もあります。映画の「陰陽師」のロケはここで行なわれたとか。本堂。 「遣水」庭園は発掘調査中に往時の姿のまま発見されたもので平安時代の遺構としては唯一のもの。その美しい流れとせせらぎは浄土庭園に風雅な趣を添え、「曲水の宴」の舞台ともなります。 庭園中央には大きな池。洲浜を倣った池岸があります。雪景色きれいなことでしょう。
訪れる人もまばら。
宝物館を見学。でも何があったかな。
寺の敷地内にはYHもありました。
毛越寺から車で5分ほどの高館義経堂(たかだちぎけいどう)へ向かいます。途中人もまばらな地、何か外で仕事をしている人がいると見ると、発掘作業のよう。
高館義経堂へ到着。義経終焉の地と言われ、北上川の丘陵に建てられたお堂に木造の義経像が飾られています。そこからの眺めはすぐそばの北上川、田んぼ、山です。むこうの山には大文字の”大”の字を見ることができます。大文字焼き、するのかな。

芭蕉が訪れた地のようです。「『句に破れて山河あり、城春にして草青みたり』と、笠うち敷きて、時の移るまで泪を落としはべりぬ」と句碑があります。12世紀奥州藤原清衡・基衡・秀衡の栄華と義経の自害に思いを馳せたのでしょうか。

彩り豊かな義経像は天和3年(1683年)仙台4代藩主伊達綱村が義経をしのんで建てたもの。323年前の木造が現存?323年前義経を偶像化した人物がいたとは。歴史のロマンを感じます。

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中尊寺金色堂です。この建物の中に金色堂が内蔵されており建物内は撮影不可。外側から少しそのキラキラぶりを。

以前はこの建物内に金色堂が入っていたそうです。でもその前はなんと金色堂は雨ざらし状態だったとか。日本のものでこれほどきらきらなものはあまり無いらしく、当時の中国、朝鮮半島から伝わったものなのでしょうか。世界遺産に登録願いを出しているそうですがどうなりますことやら。

金色堂の他にも。
岩手県南一関地方は伊達藩時代より多彩なもち料理が伝わるもちの里。ふじせいでもち料理を。一口大のもちにいろいろな餡がのっています。上段左からきのこをいれた生姜餡、あんこ、納豆。中段、黒ごま餡、大根おろし(これにはもちはなし。甘酢が加えられています。)、胡桃。下段、干しえび餡、ずんだ、じゅうね(えごまの実)。それに右の椀物はお雑煮です。少し寒めの日だったのでお雑煮で温まりました。8種のおもちのうち5種が甘めのお菓子感覚です。おもちは臼でついているそうでこしがありました。
一関から太平洋を目指し陸前高田へ。ここは松原が有名です。(残念ながら松原の写真はありません。)

ひたすら北上し、景色を楽しみながら今日の宿、田老まで。景勝地浄土ヶ浜に着く頃にはあたりは暗くなり海の様子はよく見えず、やはり宿へ。
6時半チェックイン、お風呂を済ませ7時半から夕食開始。初日からご馳走です。 穴子、蟹の天麩羅は後から。 うにの炊き込みご飯と鮭のアラ汁。

2日目。翌朝はバイキング。洋食、和食あり。東北だけに漬物が豊富。海藻ものもあります。ご飯の進む野菜の煮物もたくさん。

その後、そのホテルから海そばに出られそうなので訊いてみるとカートで行けるということで(自動車不可)、365円で借りて敷地内の岬突端のほうまで行ってみることに。

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赤崎展望台からの景色です。 唐傘松展望台からの景色です。右側が立派な松の木ですが療養中のよう。

唐傘松展望台から。展望台の下は崖になっています。樹が育ち過ぎて視界を遮られます。

車に乗り換え、昨日暗い中寄った浄土ヶ浜へ。ついでに遊覧船に。一周1,200円40分の旅です。浄土ヶ浜から昨夜泊まった田老の沖まで行って戻ってくるコース。この遊覧船はウミネコの餌付けがウリのようで、船内でパンを100円で買います。くれぐれも人間は食べないようにとのこと。甲板からちぎったパンを空にかざすとウミネコが飛来しパンを銜えていきます。合成したような写真ですが本物です。遊覧船にはツアーの団体客もいて、なぜかこの餌付けとても気に入って何度も何度もパンを買ってウミネコを呼び寄せていました。
右側の写真は潮吹岩です。波が押し寄せると穴の開いた岩から鯨が潮を吹くように海水が噴出します。
リヤス式海外を外側から眺め満喫。遊覧船ガイドの説明も楽しい。リヤス式と言っても宮古を境として隆起型と沈降型に分かれるとか。見た目同じなのですが。
遊覧が終わり奥浄土が浜まで散歩。リヤス式の湾内は静かです。
やはり海のそばなので海鮮料理。宮古駅そばで海鮮丼を。1,575円。この海鮮丼、実は具が3段重ねになっていてこの下にはまだまだ鮑やらイカやらかまぼこやら入っているのです。

思い残すことなく太平洋を離れ盛岡に向かいました。途中眠くなりながらも2時間ほどのドライブで盛岡市内へ。
岩手公園100年祭をしていました。(テレビを見ると常にCMしていました。)岩手公園には城壁が残されています。
式典待機中。 レトロな岩手銀行の建物前を神輿が通ります。 神輿です。
今日の宿、鶯宿(おうしゅく)温泉へ。今回の旅、唯一のJRパック指定温泉宿からチョイスした旅館。収容人数1,000名越えます。賢治ワールドが隣接し、昔のワイルドブルーヨコハマのように波があるプールが隣接しています。子供連れにはうれしいかも。中国、韓国からのお客も多いようです。ホテルの周りは森に囲まれていて、建物も敷地も壮大。
  夕飯は半個室のようなところで。
今夜もまたご馳走。
 
お刺身と湯葉。 さんまのカルパッチョは
酢ジメされてます。
前沢牛のしゃぶしゃぶは豆乳鍋で。
ご飯はその場で釜炊き。
天麩羅。白身魚、蟹、ししとう。 豆腐のきのこ餡。 鱧のお吸い物。
食卓の上で炊けてしまうなんて。約20分。蒸らし10分。古代米を混ぜた炊き立てのご飯。 巨峰、バニラアイスクリーム。 岩手の清酒案内。
こんなにたくさんあるのです。
ホテルの温泉は24時間開いています。(2時から1時間は清掃時間。)夜中起きだし温泉へ。昼間と違いほとんど貸切状態。露天からは三日月と星が見えました。でも岩手の温泉はとても強く、後で疲れるような…。眠ると怖い夢を見ます。

3日目。
翌朝バイキング。なんとまあこんなに。ここでの一押しはトマトジュース。普段はトマトジュース飲みませんが、ここのは生トマトジュース。
小岩井農場まきば園に。やっぱりソフトクリームです。おいしい!牧場に来るとソフトクリームははずせません。大好きなバター飴も購入。 炭火でステーキを焼いていていい香り。100g500円。これは700gくらいだとか。
臭いだけいただきました。
チーズケーキハウスとレストランの棟。この横にSLホテルが隣接してあり寝台車のように泊まれるらしい。6,500円ほどの宿泊費一泊二食付き。電車好きには垂涎のプラン?
その後、盛岡手作り村に。創立20年。無料で盛岡の名産品を見たり食べたり楽しめます。小岩井農場よりずっと楽しい。
  南部せんべいを手作り体験。100円。職人さんがこてにピーナッツを敷き、自分が円形にした生地を職人さんに渡します。 こてを火にかざし30秒ごとにひっくり返すこと6回で焼き上がり。1枚サービスで2枚ゲット。
お団子やさん。いろいろな餡があります。辛子マヨネーズ、生クリームあんこ。 ピョンピョン舎の工場。店内では麺を捏ね、冷麺を作る体験コースをしていました。 南部鉄瓶は有名です。私も欲しくなりました。以前、南部鉄のフライパンを買ってそのままにしていたけれどまだあるかな。
その後、鶯宿温泉でいただいた湯巡りチケットで繋(つなぎ)温泉「紫苑」へ。ここも大きな旅館。この源泉も強そう。でも温泉は好きだから止められません。絹の湯はミクロの泡がたっていました。
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盛岡に入ったのでいよいよ三大麺巡りです。パイロンのじゃじゃ麺(中)450円。カワトクデパート地下。1時間並びました。
ジャジャ麺はよくかき混ぜて平らげたら、テーブルの生卵を割り割り箸でよくかき混ぜ、割り箸をお皿に載せたままチータン(タン)お願いしますと、店員に差し出すと、麺の茹で汁を加え、引き取ります。お味噌、調味料を加えまたかき混ぜてスープを飲みます。
チータンタン頼むために完食。お腹いっぱいでも食べきれてしまうのはじゃじゃ麺の不思議なところ。パイロンの麺は茹で過ぎ?というくらい柔らかい。
盛岡では繁華街のビジネスホテルへ。ジャジャ麺を待つ間ビールを飲んでいたのが回ってきてしばし休憩。食べているばかりです。
駅近くのぴょんぴょん舎へ。
キムチ盛り合わせ609円。
コリアンサラダ609円。 ネギニラチヂミ420円。なかのもちもち感、外側のぱりぱり感はさすが。
 
豆腐チゲ750円。 冷麺735円。辛味は別皿で。  
4日目。今朝の朝食はホテルのハイキング。ということで期待せずカメラ持参せず。でも小松菜グレープフルーツジュースおいしかった!です。パンも。新幹線は3時40分発。それまで何をしましょうか…。実は行き当たりばったりの行動の連続。今日は天気がいつまでもつか、ということで花巻のミュージアム巡りに。盛岡南インターから10分ちょっとで花巻に到着。岩手に来たら宮沢賢治です。これは行って正解!でした。イーハトーヴォとは賢治の小説にでてくる地名で理想郷、夢の国を意味するそうです。岩手をこよなく愛していたのです。賢治はエスペラント語を習っていたそうですが、イーハトーヴォは彼の造語なのか、どこからきているのか…。
賢治記念館(写真なし)へ。賢治記念館横に駐車場をはさんでお土産物屋とレストランの入る建物、山猫軒が。イメージ通りです。 レストランのメニューはいたって普通でした。
記念館には賢治の年表、研究、原稿、所蔵の楽器、絵などが展示されています。多方面へのあふれる好奇心を感じます。そして、その好奇心で得た知識は彼の作品の随所に活かされています。
好奇心にも驚きましたが、小説のタイトルのかっこいいこと。もう少し後に生まれてきたら時代の寵児になっていたはずです。
山の上に立つ賢治記念館を下っていくと宮沢賢治童話村があります。全然期待していなかったのですが、期待は裏切られました。こちらは感性の光るミュージアム。一つ一つがきちんとコンセプトを持って構成されていてよくできています。
入り口を入ると奥に童話館が。とても立派な建物です。真っ白な部屋にはこんな照明が。 おしゃれな椅子に座って部屋の中を見渡します。 樹が空を切り取った形。
その前にはキャベツのような椅子。
同じく白の部屋には本棚。テレビというかスクリーンがはめ込まれています。 賢治のお話の模型がたくさん。これは「注文の多い料理店」。 かわいいキャラクター。
童話館の横から帰り道がてらログハウスが建ち並びます。それぞれが彼の興味の対象を扱っています。銀河、動物、花。そして体験教室とお土産物や。
とてもよくできているミュージアムです。

 

花巻新渡戸記念館に寄りました。(宮沢記念館に入る時、3館共通券800円を購入。)こちらも立派な建物でした。
その後、賢治が命名したというイギリス海岸へ。イギリスの景色に似ているということですがいかがでしょう。
花巻のやぶ屋です。盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)に勤める賢治が農作業の後訪れたお店。1階ではわんこそばが食べられます。945円。 賢治は天ぷらそばとサイダーをいつも注文していたそうです。JRの企画に840円でこのセットが売られていました。するとサイダーは240円? 花巻を離れ盛岡に戻り返車。駅ビルでごま擂り団子(冷凍)、かもめの玉子(栗バージョン)を購入。盛岡最後の食事へ。地ビールで乾杯。
新幹線ホームに行くと乗車予定の新幹線が入ってきました。帰りは仙台、大宮、上野、東京に停車。盛岡〜東京間2時間28分。近いです。岩手の旅も無事におしまいとなりました。
盛岡じゃじゃ麺小吃店でネギ飯とジャジャ麺を肴に。700円。 チータンタンは80円。パイロンより高めの値段設定です。  
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