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「麦の穂をゆらす風」 2006 The Wind THat Shalows The Barley
アイルランドの悲劇。イギリスから独立するための戦争、やっと自治権を得たものの英国国王に忠誠を誓う憲章。同胞同士が二派に分かれ戦闘を繰り返します。アイルランド側から描かれたストーリーというのは珍しく、英兵めちゃくちゃ悪者です。

「無言歌」 2010 香港・フランス・ベルギー 監督:ワン・ビン

文革の前の中国、50年代の反右派闘争の頃のゴビ砂漠の収容所であり、畑を作ろうとしているのか。食料も僅か、次々と倒れていく人々。穴を掘っただけの寝床、死人が出たかどうか確認をしにくる役人。見つけるとそのまま布団でくるみ、死体を積み重ね、埋める。が、死体は掘り返され、衣服は剥ぎ取られ、食べものに換えられ、人肉は削り取られ食べられる。事実に基づいている。もうすぐ訪れる自分の死を予感した男が、信頼できる男に遺言を託す。「もうすぐ妻が来るから、それまで自分の死体は部屋の隅に置いておいて妻に引き取ってほしい。」と。すぐ男は死ぬのだが、死体は見つかり埋葬されてしまう。そして上海から妻がやってくる。泣き崩れる妻。遺言を託された男は死体がどこにあるか知らないという。実は、死体は衣服を剥がされ、尻の肉は削り取られているのに気付き、妻に黙っていようと考えたための嘘。しかし、死体をひとつひとつ調べようとする妻に、男は根負けする。夫の亡骸に慟哭する妻。そして枯れ枝を集め火葬し、妻は腕いっぱいにお骨を抱え帰っていく。どうやって生き延びていくか、良心も何もなく、情けをかければ身を滅ぼし、そんな圧政の世の中が他人事ながら展開される。

「無常素描」 2011

4月28日から5月4日まで回したカメラ。音楽、ナレーション一切ない。医者が撮影隊に加わっていることの意味は?ロケをしやすくするため?被災者の話が響かず。というのも、被災者の話の部分だけになっていて、質問の声が省かれているから。短い時間安く作って…という感想は手厳しいか。福島の僧侶で作家の玄侑宗久氏のお経、話、つまらない。

「胸騒ぎの恋人」 Les amours imaginaire 2010 カナダ 監督:グザヴィエ・ドラン

友人同士であるゲイの男性フランシスとストレートの女性マリー。2人はあるホームパーティーで、外見に加えて社交的なふるまいも魅力的な青年ニコラと出会い、たちまち心を奪われる。ニコラはフランシスとマリーを新しい友人と思って3人で出かけたりするが、フランシスとマリーはそれぞれニコラに対する片思いをますます募らせていく。おもしろい設定ですが、二コラの気持ち次第。フランシスとマリーはそんな魅力的でもないし。わけのわからないフランス映画路線。

「胸騒ぎのシチリア」 2015年 製作国: イタリア/フランス 原題: A BIGGER SPLASH 監督: ルカ・グァダニーノ 出演:レイフ・ファインズ、ティルダ・スウィントン、ダコタ・ジョンソン

名作『太陽が知っている』を原案に、『ミラノ、愛に生きる』のルカ・グァダニーノ監督が映画化。人気ロック歌手のマリアンは、痛めた声帯と心を癒すため恋人とシチリアで過ごしていた。ところが、彼女の下に元恋人が娘を連れて押し掛けてくる。元恋人が厚かましかったり、山を散歩していたら、いきなり海からの不法難民とばったり会ったりしたり(何の意味?)、結末も若い夫の行動は見逃されるの、とわからぬことがいっぱい。

「ムースの隠遁」 フランス 2009 Le Refuge 監督:フランソワ・オゾン 出演:撮影当時実際に妊娠6カ月だったイザベル・カレ、ルイ=ロナン・ショワジー

ルイとムースは薬物摂取中にルイが急死。ムースは助かり妊娠が判明します。数か月後、海近くの田舎で過ごすムースのもとに、ルイの弟ポールが訪ねます。ふたりの生活。海に行くと、妊婦状態のムースに神の教えのようなものを説教かます女性が現れたり、やがてポールは男友達を呼び込んだりして、いらっとくるムース。妊婦特有のイライラかとも思うけれど、揚句、産んだら、とんずらって、なんでしょ。

「ムッシュ・カステラの恋」 Le Gout des Autres
ムッシュ・カステラは中小企業の社長で妻帯者。有能な部下に英語を身につけるように言われ個人授業をうけます。その先生はアマチュアの劇団女優。いつのまにか彼女を好きになってしまい追いかけます。無粋な彼は彼女の周りの人たちと芸術の話もままならずばかにされる始末。でもばか正直で彼女も彼の良さに気付くのです。主人公たちよりも周辺の人たちの恋模様も楽しめます。自分の思い込みでどれだけたくさんのものを失ってしまっているのか…、フランス映画の粋な部分を感じられる映画です。

「無伴奏」 2015年 製作国:日本 監督:矢崎仁司 出演:成海璃子、池松壮亮、斎藤工、遠藤新菜 132分

直木賞作家・小池真理子の半自叙伝的小説を映画化。1970年代前後の仙台を舞台に、バロック喫茶で出会った男女の官能的な青春模様を綴る。高校3年生の響子は、親友に連れられて入ったバロック喫茶「無伴奏」で3人の若者と出会う。

当時のファッションを忠実に再現しているのか、若い女性たちはミニスカート、喫茶店は同一方向に椅子が並び、音楽はレコードLP盤、おばさんはいつも着物姿(口数少ないと藤田朋子ってこんな大根?)、彼が居候する部屋は離れの茶室、その部屋に行くにはざーざー鳴る竹林を抜けて。夕日が沈むのを4人で眺め、海に行くのは当時の車。視覚的にも凝ってっているのはわかる。それにしても当時のこの年代の子って、自殺に憧れるものだ、それでランクが上がるかのように。たばこ吸い過ぎ。

「ムーラン・ルージュ」 2001 アメリカ 主演:ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー MOULIN ROUGE

1899年、夜のパリのナイトクラブ"ムーラン・ルージュ"。オーナーのジドラーは、資産家の公爵にショーの主役サティーンを身売りさせることで投資を引き出そうとします。本格的な女優を目指すサティーンもパトロンを必要としておりジドラーの申し出を受けるつもり。が、サティーンは青年舞台作家クリスチャンをパトロンと勘違いし、二人は愛し合うようになってしまう。 そしてサティーンは結核に侵されていて。ニコール・キッドマンの美しさ、そして随所の歌、華やかです。

「ムーンライズ・キングダム」 アメリカ 2012 Moonrise Kingdom 監督:ウェス・アンダーソン 出演:ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ

1965年、アメリカ・ニューイングランド沖に浮かぶ小さな島。ボーイスカウトのサマー・キャンプ中、12歳の少年サムが退団しますと置き手紙を残し姿を消す。一方、島に住む問題児少女スージーも家を飛出。ふたりは1年前に出会い、恋に落ちていた。そして駆け落ち。ボーイスカウトの知識で、逃亡する。最終的に美しい入り江にたどり着き、キャンプを張るのですが、同時にそこで発見されてしまいます。実写ですが本から飛び出してきたような作り。録音テープ、レコードプレーヤー。学校の図書館の制限日数、冊数。スージーの「双眼鏡を使う=魔法をかけられる」のことば、子どもならでは。雰囲気のある映画です。

「ムーンライト」 2016年 原題:MOONLIGHT 監督:バリー・ジェンキンス 出演:トレヴァンテ・ローズ

貧困地域に生まれた孤独な黒人少年を主人公に、彼が自らのセクシャリティに悩み、自分のアイデンティティと居場所を探し求めてもがき苦しみながら成長していくさまを、少年期、青年期、成人期の3パートに分け、革新的な映像美とともに描き出したヒューマン・ドラマ。内気な少年シャロンは、母ポーラと2人暮らしだったが、ポーラは麻薬中毒でほとんど育児放棄状態。学校ではリトルとあだ名され、いつもいじめられていた。シャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友だちだった。そんなある日、いじめられているところをフアンという男に助けられる。以来、フアンとその恋人テレサに我が子のように目をかけてもらい、初めて人の温もりを感じるシャロンだったが、成人期になり、売人をしているシャロン。 そしてケヴィンとの再会。ああ、ずっと思い続けていたんだ、と気付かされる。

「ムーンライト・マイル」  2002年 製作国: アメリカ 原題: MOONLIGHT MILE 監督:ブラッド・シルバーリング 出演:ジェイク・ギレンホール、ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン

1973年、マサチューセッツ州ケープ・アン。ジョー・ナストは婚約者のダイアナと結婚し、彼女の父ベン・フロスの不動産業を手伝いながら彼女の家族と新しい生活を始めるはずだった。ところが彼女は結婚式の直前、街で起きた発砲事件の巻き添えで亡くなってしまう。彼女の両親とジョーは突然襲ってきた悲劇から身を守るかのように葬式の後も一緒に暮らしていた。ベンはさっそくジョーを連れ仕事に精を出す。妻ジョージョーもまた、彼女のやり方で悲しみを乗り切ろうとしていた。そんな2人に対しある秘密を抱えていたジョーは、結婚式の招待状を回収するため訪れた郵便局で一人の女性と運命的な出会いをする。筋書きとしてはおもしろいのだけれど。誰一人として悪者がいない映画です。

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