遺伝子組み換え作物からゲノム編集作物へ
GM作物失敗の20年(ヨーロッパの環境保護団体はそう言う)、栽培国は増えておらず20数カ国のまま
ジャガイモは消えた
現在流通している主な作物
大豆・トウモロコシ・ナタネ・綿
稲・小麦は消費者の抵抗が大きく、開発頓挫
- 新しく鮭という動物食品登場、遺伝子組み換え食品の範囲が広がる
2杯のスピードで成長する鮭「アクアドバンテージ」
米国のベンチャー企業アクアバウンティ・テクノロジーズ社が開発
同社は事実上モンサント社の傘下に(インテクソン社が買収)
その問題点:成長が早い分、環境中の有害物質の蓄積度が大きい、成長ホルモンの濃度が高い分、癌細胞を刺激する危険性がある。
・果物の遺伝子組み換えが進む
- 遺伝子組み換えパパイア(ハワイ産レインボー)パパイヤ・リングスポット病耐性(RNA干渉)
- 遺伝子組み換えりんご カナダオカナガン社が開発、皮をむいた際に起きる変色をさせないように改造したもの(RNA干渉)
- 遺伝子組み換えピンク・パイナップル デルモンテ(米国)が開発、リコピン増量
- 遺伝子組み換えバナナ ベータカロチン増量バナナ/パナマ病(土壌萎縮病原菌)耐性バナナ オーストラリア・クイーンズランド工科大学等で開発
・国産で初めての遺伝子組み換え食品 ミラクリンさん生トマト(筑波大学)、ミラクルフルーツ(酸味を甘味じ変える)
遺伝子の働きを壊す食品が登場
- 遺伝子組み換えとは? ほかの生物の遺伝子を入れる技術 EX)ほうれん草の遺伝子を入れた豚、ヒラメの遺伝子を入れたトマト、クラゲの遺伝子を入れた猫
- ゲノム編集とは? 特定の遺伝子を壊す技術、遺伝子の組み換えもカノウ
- RNAi(干渉法)とは? 特定の遺伝子の働きを阻害する技術
- ゲノム編集(Genome Editing)とは?
- ;目的とした遺伝子をピンポイントで停める技術 目的とする遺伝子の一に誘導する技術とDNAを切断する制限酵素の組み合わせ
- CRISPR/Cas9の開発で容易に CRSPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)法(2012年)
- 制限酵素を用いてDNAを切断して、遺伝子の働きを止める(ノックアウト) 制限酵素とはDNAを切断するハサミの技術を持つ酵素
自然修復した際に元に戻ると再び切断、突然変異が起きるまで切断する
遺伝子の働きを止めることで何ができるか、例)ミオスタチン遺伝子(筋肉量を制御)
生命体はバランスで成り立っている、そのバランスを崩す
切断後、修復までの過程で遺伝子の導入も可能(ノックイン)
修復の際に、その部分に遺伝子を挿入することもできる
新たな遺伝子組み換え技術、ピンポイントで遺伝子組み換えができる
- CRISPR/Cas9とは?
細胞の防御システムに目をつけた
- 侵入したウイルスのDNAをCRISPR内に取り込み
- Cas9酵素で切断して無効にする
- CRISPR/Cas9の仕組み
どのように導入するのか?
- 動物・人間 受精卵に直接導入する(マイクロマニピュレーター)方法がよく用いられる
- 植物(細胞壁があるため)従来の遺伝子組み換え技術を用いる、アグロバクテリウム法・バーティクルガン法
- ゲノム編集技術による作物の開発(すでにはじまっている)
- 除草剤耐性ナタネ、大豆が市場化
スルホニルウレア(SU)系除草剤耐性(米ベンチャー・サイアス社、カーギル)
高オレイン酸大豆(米ベンチャー・ケイリクスト社)
- 小麦での開発が活発
高食物繊維小麦、うどん粉病抵抗性小麦(ケイリクスト社)
高収量小麦(デュポン)
- アルカロイド(ソラニンなど)を含まないジャガイモ(理化学研究所)
- トランス脂肪酸を含まない大豆(ケイリクスト社)
- 変色しないマッシュルーム(ペンシルベニア大学)
ポリフェノールオキシダーゼ遺伝子を壊す
- 日本では「シンク能改変稲」が開発され栽培実験が始まる
2017年からはじまり5カ年計画
- ゲノム編集樹木の開発(米国・中国・スウェーデン)
スウェーデンではポプラ(開花・成長・枝や葉や根の生産)を開発野外実験へ
- バイオ燃料の開発
中央大学理工学部・原山重明
緑藻はエネルギーをでんぷんと油脂にに蓄える
デンプンに蓄える仕組みを壊す
オイル産生酵母 イアン・ウイールドンらの研究チーム(カリフォルニア大学リバーサイド校)
- 多様な動物の開発
- 呼吸器障害症候群ウイルス(PRRSV)耐性ブタ
ミズーリ大学の研究者(ランダル・プレイザーらの研究チーム)が開発
ウイルスの侵入口にあたるタンパク質(受容体CD163遺伝子を破壊)を欠いたブタ
- マイクロブタ
通常のブタ100kg超、ミニブタ30〜50kg前後、マイクロブタ15kg前後
中国BGI(北京ゲノム研究所)がペット用に開発(TALEN法)
成長ホルモン受容体を壊す
- 巨大動物・巨大魚
筋肉量を制御するタンパク質「ミオスタチン」遺伝子を操作
筋肉量の多い牛
テキサスA&M大学(チャールス・ロング)
- その他、成長が早く肉の多いフグ、角のない乳牛、卵アレルギーをひい起こさない鶏など
- 特許権紛争と遺伝子ドライブ
- 特許紛争が激化
デュポン社 カリブー・バイオサイエンス社と提携、ビリニュス大学のCas9特許の独占的権利
モンサント社 ブロード研究所と提携、ブロード研究所の特許権が認められる
CRISPR/Cas9の関連特許は2014年までに300を越える
- 巨大多国籍企業同士の買収・合併が相次ぐ
排臭・合併後のシェア 種子 農業
バイエル、モンサント連合 29% 26%
デュポン、ダウ・ケミカル連合 24% 16%
中国化工集団公司、シンジェンタ連合 8% 20%
(2013年、ETCグループより)
- 遺伝子ドライブ技術は種の絶滅をもたらし、生態系を破壊する
遺伝子ドライブ(Gene Drive)とは?
CRISPR?Cas9遺伝子をノックイン 雄と雌が交雑、対立遺伝子を変える、次々と雌の機能が壊されていく
わすかな改造蚊で酒の絶滅を可能にする
2018年エジプトで開催されたCOP14で遺伝子ドライブが焦点に予防原則が適用される
軍事技術への応用
軍事技術への応用
米国国防総省のDAPRA(国防高等研究計画局)が資金を提供
西オーストラリア州の6つの島と米国の太平洋の2つの島嶼部
遺伝子ドライブ技術を用いた動物の放出実験
- RNA干渉法(RNAi)の応用食品
RNA干渉法とは?
容易にできるノックアウト技術
コレまでのRNA干渉利用(DNA操作による)
日持ちトマト、耐病性パパイヤ、変色しないりんご
RNA干渉利用()操作の登場
dsRNA(二本鎖RNA)を用いて遺伝子の発現を停める技術
- J.R.シンプロット社が開発したジャガイモ(マクドナルドへ?)
加熱した際に生じる発がん物質アクリルアミドを低減+打撲黒班低減
二本では食品安全委員会が食品として流通を商人
加工用ジャガイモとして輸入
米国・カナダでは第2世代ジャガイモが承認される
アクリルアミド低減+葉枯れ耐性+打撲黒班低減
- RNA散布農薬の開発も進む
外注の遺伝子を破壊し殺す
人間への影響も?
- RNA干渉法とゲノム編集の違い
遺伝子の働きを止めるのは共通
ゲノム編集は遺伝子を壊す、RNA干渉法は遺伝子の働きを妨げる
RNAiのほうが技術的に容易、精度は粗い
しかしDNAと異なりRNAの働く仕組みはほとんどわかっていない
RNAの拡散により植物も枯死や劣化などの問題を引き起こす
肝臓でdsRNAの断片見つかり、食の安全で問題に
- ゲノム操作にはどのような問題点があるのか?
- 遺伝子を壊すことによる問題点
壊してよい遺伝子などない、生命をもてあそぶ、複雑な生命ネットワークをかき乱す
オフターゲット(さまざまな遺伝子を壊す)をもたらす
米国コロンビア大学、多数のオフターゲットを指摘
英国ウェルカム・サンガー研究所、予想以上のオフターゲットを指摘
オランダ・デルフト大学、従来のオフターゲットを見るアルゴリズムの不備を指摘
豪州アデレード大学など、オフターゲットがなかったという実験を再実験
- 発がん性を増す スウェーデン・カロリンスカ研究所、ノヴァルティス
効率を上げるほど、癌抑制遺伝子を抑制
- 規制は?
- 日本での安全性評価に仕組み
生物多様性への影響 カタルヘナ法(環境省、農水省)
食品の安全性評価 食品安全基本法、食品衛生法(厚労省、食品安全委員会)
資料の安全性評価 資料安全法、食品安全基本法(農水省、食品安全委員会)
- 政府は規制を外す
カタルヘナ法・食品衛生法による分類と規制はずし
タイプ1(DNAを切断)
タイプ2(切断と同時に少量のDNAを導入)
タイプ3(切断と同時に遺伝子を導入)
- 環境省はタイプ1を規制から外した
- 厚労省はタイプ1,2を規制から外し、タイプ3も例外を認めた
遺伝子組み換えに比べ規制対象外が拡大した
- では、どうすればよいのか?
遺伝子組み換え、ゲノム編集食品を避けるには
- 現在流通している作物は4種類(トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿)
それ以外の作物から作られている食品
EX)米湯、ごま油、紅花油
- 国内で栽培された作物由来の食品(日本国内では栽培されていない)
できたら素材から調理する、加工されるとわからなくなる
できるだけ外食を控える
- 外国産の場合は有機食品を選ぶ
有機は遺伝子組み換え、ゲノム編集を排除
- 遺伝子操作食品を扱っていない、あるいはできるだけ排除している生協、産直
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