HOME    diary FILM  BEADS   野菜ビジュー   エコ学   漢方   料理本
国際有機農業映画祭2010
今年で4年目という映画祭です。そういう映画祭の存在、今年まで知りませんでした。ドキュメンタリー映画として興味津々。1日有効券2000円です。
アフガンに命の水を〜ペシャワール会26目の闘い
ミシシッピ

海と森と里 つながりの中に生きる

1.人が変えた自然

時代の価値観が反映する。このまま広葉樹を切っていったら25年で広葉樹林は消える。ダムを作れ、理由を考えろ、という議員。昭和40年代農薬を多用し楽して農作物を増産。

2.断ち切られたつながり

1800haの三番瀬。1960年ごろから全国の干潟は埋め立てられ工場地帯へ。住人のため団地が作られ、窒素やリンを多量に含む生活排水が激増し海に流れ込む。植物プランクトンが異常発生。魚や貝が窒息。自然界のバランスを壊す。1960年代農業も変わる。化学肥料、農薬。有害な化学物質が川に流れ込む。

工業人口の増大、農業人口の激減。

3.森と川の役割

1haあたり2000本植えていたのを1.5倍植えなければ補助を受けられない。雑木林(広葉樹)にしておくのは恥ずかしいことだった。外国産材木の輸入。1980年をピークに針葉樹木材の値段が下がる。工業製品の自由化と共に農産物の自由化。

4.つながりの中に生きる

漁場、太平洋が与えてくれていると思っていたが、8割は山から流れてくる川から。広葉樹の山は針葉樹の山の2.5倍の速さで水を吸収してくれる、山の田んぼの30cmの畦は大雨時貯水池となる、工業化の進む中生きにくい環境が進んでいる。山から海に流れ込む栄養分が少なくなる。プランクトンを食べて魚や貝が育つ。堰、鮭が川を上れない。産卵後の鮭がリンや窒素、カリウムとなる。循環を断ち切る。洪水が起こると泥水が流れると、養殖業者がダムを作れと言った気仙沼。森は海の恋人。漁業者による植林運動へ。上流域の人たちも海を思うようになる。

間伐材の利用。フォレストベンチ。林業者が自分でやっているからまかなえるが。木材の適正な価格での流通は厳しい。

東京湾から姿を消した甲殻類、魚。50を超える川、三番瀬の干潟が東京湾の漁場を支える。川の流域に保全、再生がかかっている。

ここから鑑賞

 

3分ビデオリレー「私と農と食」

「クスクス」イスラエルでの小麦からクスクスを作る工場の様子、またナツメヤシの中にアーモンドを入れる工場も

「韓国の有機農業をきく」神奈川有機ネットワークが訪問

「土素人の米作り」高松田んぼの会の様子

「ブタ放牧」帯広のエルパソ牧場

「小田原久野小学校」

「緑の革命」 光と影

1970年ノーベル平和賞受賞のボーロング。彼の受賞理由は高収穫品種(HYD)を開発し、飢饉からの脱却可能を確信させたことによる。そして25年後、インドにおけるその後はというと、農薬大量投入で生産高は激減し、富農はその農薬の支払いのため農作業人への支払いを遅延し、あるいはトラクターの導入で雇用削減、低賃金化へ。得をしたのは種苗会社、農薬会社、富農だろうか。

パーシー・シュマイザー、モンサントとたたかう

カナダの農民パーシー・シュマイザーは菜種農家。隣の遺伝子組み換え(GM)の種子が飛来し、自家採取の畑が汚染された。のみならず、GM販売のモンサントにより特許権侵害で訴えられる。巨大企業に立ち向かう一農家。モンサントは彼らを終始見張り、脅かし、ダメージを与え続ける。20万ドルの支払い命令にめげず、上告。最高裁で遂に自らの勝利宣言。1998年から2004年までの闘い。

種を採る人 岩崎政利

長崎市雲仙市の農家岩崎政利さんスーツ姿で挨拶。年間70種の在来野菜の種を採り続けている。枯れ果てた莢を刈り取り、種は莢から落ち、両手いっぱいの種、そしてそれらは畑いっぱいに広がる。その繰り返し。席巻の交配種は外国産でその代限り。在来種は種が採れる。私が野菜を引っ張るのではなく、野菜が私を引っ張ってくれている。野菜は神。31歳で病気になり、雑木林が師匠。映画の中、子どものように軽トラックで莢をつぶすのに場内笑いがこぼれる。スイカの種採りではスイカが食べられ、おいしいスイカの種を保存。おいしいスイカが来年もできます。種は採れない年もあるので多めに保存。戦時中食うに困った時でも種は大切にしてきたもの。

長崎の料理研究家黒川陽子さんが岩崎さんの畑を訪ね、カボチャはただ蒸してわずかに塩を振って食べるという。在来種のかわいい形(先が尖っている)をしたカボチャ、生徒さんが切りやすいと評価していたけれど、カボチャって、切りにくいとおいしい…というイメージだったけれど、どんな味なのでしょう。

岩崎さんが宮崎椎葉村の椎葉クニ子さんを訪ね、椎葉平家大根の種をいただく。800年守られてきた種。

雑草

韓国の映画。雌しべ、雄しべ、蜂のスローモーション画像。

水俣の甘夏

水俣病から住民たちは海から甘夏作りへと生活の糧を変えた。彼ら元被害者(水俣病)の同志社は加害者にならないと、農薬散布を最小限に抑える。ところが、6戸の農家がランドアップ枯葉剤を使ってしまう。彼らには彼らの事情があったのだが。「大事なことはみんなで話し合って決めていくことが破られてしまったこと」。彼らを切ることは簡単だが、4ヶ月に及ぶ話し合い。反省、申し出。彼らの甘夏出荷の箱には「失敗の会」とシールを貼り、失敗のいきさつ、反省のプリントを入れることに。

田んぼは僕らの教室だ!

山形県高畠町の小学校では全学年で野菜を育てている。給食での50%自給率をめざす。

田んぼで泥だらけになり、畑で幼虫をつぶし、雑草だらけの田んぼで苦しみ、そして収穫の喜び。最初、苦手だった野菜が、自分が育てたことで食べられるようになる。最後に自給率のグラフ登場。大豆は収穫後校庭で天日干ししているうちにイノシシに食べられてしまったため、自給率最低。

国立オリンピックセンターへ

ホール前ではいろいろ展示が。

大根…こちらは岩崎さんの

在来種大根かな

葉物もいろいろ

帯広で見かけた野菜を見かける 引き続き大根 岩崎さんの本
在来種の種

雑穀の種って、

雑穀そのもののような

きれい
ツーショット

種の展示、本の販売、映画、DVDの宣伝も繰り広げられていました。

今回の映画祭は「たね・水・いのち」がテーマでした。途中から6本鑑賞。途中気持ちよく眠ってしまったものもあり。在来種の野菜、これから注目していきます。

pageup