現代の郷土料理とは、地域に根ざした料理というだけでなく、心のなかのふるさとの風景のひとつとして、誰もが大好きな食べものを指す言葉です。それだけに、歴史的な成り立ちや特産食材の知識をもつと、おいしさがいっそうふくらんできます。向笠千恵子が全国を歩いて掘り出した味のなかから、とっておきの物語を紹介し、郷土料理のエッセンスを伝授します。
----------------------------------------------------
【はじめに】郷土料理のおいしさ再発見
1.郷土料理は、日本料理の原点
2.郷土料理は、風土がおいしい
3.郷土料理は、「心」で味わう
東京都内、40〜50代の50%、30代の70%が東京都生まれとなっており、地方出身者が少なくなっており、日本各地の郷土料理を知らない人が多くなってきた中、その伝播に努めている。
ユネスコ世界無形文化遺産に日本料理を登録しようとする試み。郷土料理15,000種もある。
日本には在来野菜、醤油・味噌の蔵元、焼き物・塗り物・織物、箸・敷きものなどの手仕事、職人の仕事が豊富。
【1】かぶ蒸かし=気仙沼大島名物、にんじんかぶのもち米おこわ
西洋野菜のブタバカ(スウェーデンかぶら)オレンジ色を細切りにして天日干し。ハレのもち米と合体。かて飯(増量剤)。ささげ、粟と。
宝貝(漆器)に盛る。熊谷すん子さんが伝える。
【2】「芋煮」=山形の収穫祭は、大鍋いっぱいの芋煮がごちそう
酒田、鶴岡は豚・味噌、
米沢、新庄、最上地方
山形西北中山町(酒田と最上の中間)は棒だら、里芋→身欠きニシン、紅花、原木なめこ
【3】「ぬかみそ炊き」=ぬかみそを調味料にした伝統発酵食品
ぬかみそ炊きは小倉生まれ
小笠原藩殿様が糠好き
ぬかみそが青魚のうま味を引き出す
健康志向の高まり、スローフード
唐辛子、山椒を入れて
【4】「しもつかれ」=栃木県の郷土食はつめたさがごちそう
大豆、塩鮭の頭、大根(鬼おろし)、にんじん、油揚げ
もったいない精神
日光で「しもつかれ」コンクール
初午の頃、手のひらに「おひとつどうですか。」「しみてますね。」「いい塩梅ですね。」
語源は、
「しもつけ」だけで
「しもつけ」のかれ 凍みた状態
お酢にすける
霜つかり(浸す)
筑波山西側
【5】「かぶらずし」=百万石の都・金沢の冬をいろどる最高級の逸品ずし
甘酒状米麹の乳酸発酵
食べ時が大事 熟む 三位一体のおいしさ
家ごと、店ごとに違う
タカギ糀店、ぶりが生に近い
【6】「焼きまんじゅう」=”粉もの王国”群馬県の名物まんじゅう
庶民的
群馬は、日照時間が長い、水はけがよい、上州三山からの風により、小麦の産地
焼きまんじゅうは米糀の力、さらに味噌味のたれを塗る。
【まとめ】東京の郷土料理
深川丼、くさやが有名だが、小松菜を使った料理も。
すき焼きを提唱中。
|