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第2回グリーンイメージ国際環境映像祭

霞が関前下車し、日比谷公園内の会場へ

 

桜開花宣言が出て、初の土曜日、さくらウォークラリー?に参加する人々の行列。ちょうどチェックポイントの桜の木の前で人だかり。私も撮影。

  日比谷公園 都内ではもう満開状態
ポピーやパンジーが咲いている。

第2回グリーンイメージ国際環境映像祭、初鑑賞。前身はアースビジョン地球環境映像祭東京ガス協賛、1992年から。3日間のプログラムで、2日目のみ鑑賞。6本中5本観る。1500円。6本目の「ダムネーション」は既に観ている。観客数…少ない。これでやっていけるのは芸術文化振興基金助成、協賛多数企業だから。借出しというか、応募作品のという扱いだからでしょうか。ちなみに121作品の応募。27の国と地域からの応募。【グリーンイメージ大賞】には10万円、「遺言 原発さえなければ 」が、【審査委員特別賞】 には「終わりのない道」Endless Roadが選ばれた。パンフレット28ページの立派なもの。

「福島 生きものの記録 シリーズ 1―被曝」 2013 プロデューサー岩崎 雅典 監督岩崎 雅典 76分

2011年3月11日、東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故が生じた。テレビでは避難住民の現状が洪水のごとく報道されたが、取り残された家畜、ペット、野生動物等その後の様子はほとんど報道されてこなかった。この作品は、拡散した放射性物質による汚染が "生きものたち" にどのような影響を及ぼしているかを、長期にわたり克明に記録。被曝し破壊された生態系の「今後の対策」のための貴重な記録でもある。

監督は動物映像を長年手がけてきた方。「野生の王国」、「子ども動物劇場」など。動物映像専門の監督が、被災した福島を撮るとなったら、まさに専門の題材。ガイガーカウンター測定しながら立ち入り禁止区域ぎりぎりまで撮影、あるいは町、村の許可を取り、中にも。犬、猫、牛、イノシシ、イノブタ、キツネ。

「福島 生きものの記録 シリーズ 2―異変」  2014 プロデューサー岩崎 雅典 監督岩崎 雅典 85分

『福島 生きものの記録 シリーズ 1―被曝』の続編。本作品では、異変の兆候のあったツバメと白斑牛のその後の追跡を描く。ツバメの喉の部分白化は南相馬市のみならず、各地で発見された。チェルノブイリで長年調査に携わった米生物学者ティモシー・ムソウー教授の証言もある。斑点牛では、その後も数も増え、体全体に及んだ。牧場長の吉澤氏は農水省に検査を要請する。巨大に生育したタンポポ。ヤマトシジミチョウの内部被曝実験による奇形の発生。ニホンザルの健康被害が今後の課題となるなど野生動物の放射性汚染がこれからも懸念される。

奇形のタンポポ、白斑病のツバメ、同じく牛。殺処分を逃れた牛の世話をする団体。細胞検査された牛の白斑病、これが放射能汚染かどうかは判断できない…。まさに人間の診察結果と同じ。放射汚染地域に放置されたサルはこれまでなく、まさに霊長類でのその後の結果が注目される。シリーズ3は2015年6月公開予定。

監督トーク。この頃見かける溝端の黒い変なもの…、藻に土が絡み、とても放射線の高い堆積物。

これからも撮り続けるとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこに山ありて―名峰・鳥海山 神秘の自然」  2008 プロデューサー石黒 修 監督石川 岳 46分

日本海沿いにそびえる独立峰の四季を捉えた映像ドキュメンタリー。高山植物が生きる姿と山の恩恵を伝える。雪国にある鳥海山は海からの湿った空気を受けることから世界的に見ても降水量が多い山だと言われている標高は2000メートルほどだが、雨と雪の量が多いことから、3000メートル級の山で生息する貴重な高山植物を数多く見ることが出来る。鳥海山の雪解け水は里の穀倉地帯の農業用水に使われ、さらに山頂から30キロ以上離れた海の底に湧き出した山の水は、岩ガキを育て、海底に森を育んでいる。

山形の映像と思っていたら、監督は秋田民放放送局の方。7年前に撮影し、今だったら技術的にももっとよいものが撮れた。水中の撮影には、ホームセンターで購入してきた水槽使い、何台もカメラを水没させた。森の中の定点観測は、国定公園のためずっとカメラを置けず、次に行く時にはトレーシングペーパーを使い、前回の撮影地点を割り出したとのこと。鳥海山のハイカーにより高山植物が被害に会っている。湿度の高い鳥海山、チングルマ?に付いた水滴に群生チングルマが逆さに映し出されている様子に感動。

鳥海山は秋田側からはピラミッド形、山形側からは丸い形。水面の中の梅花藻、美しい。

「終わりのない道」 

2014 プロデューサーJIN Huaqing 監督JIN Huaqing 時間 42

Yanの母は娘のアドバイスを受け入れず、村の製紙工場によって引き起こされた汚染問題の告発を、仕返しに苦しみながらも止めることはなかった。Yanは母を大変心配するのだが、家族全体がばらばらになっていってしまう。2014年の初春、Yanの母は再び問題の申し立てに駆け回り始める。凍える夜に走る列車の姿は、まるで彼らの終わりの無い道のようであった。

環境問題と戦い続ける一家の話。先見の明があるだけに、周りから白い眼で見られている。母を応援する父、娘もまた記事、画像をネットにアップ。その夫はあきれ、夫婦喧嘩をしている。夫、皿洗いをし、怒りが妻こみ上げ、皿を割る。ドキュメンタリーと言いつつも、なんとまあその現場を撮影。母はあいもかわらず活動し続ける。経済最優先の中国で母の訴えが届く日は来るのか。

 

「神秘の球体マリモ―北海道 阿寒湖の奇跡」 2014 プロデューサー前田 浩志、高橋 司 監督長谷川 悠、石垣 竜、東 健介 49分

北海道東部の阿寒湖。湖底には、「世界でもここだけ」と言われる不思議な丸い藻の群れがある。国の特別天然記念物「マリモ」だ。実は、このマリモには、世界の科学者が挑んできた謎がある。―「マリモはなぜ丸いのか?」。番組では、ふだん立ち入りが禁止されている阿寒湖のマリモ群生地で、特別な許可を得て水中固定カメラを設置。知られざるマリモの生態を初めてとらえた。マリモの丸い形に秘められた"神秘"をひも解いていく。

 

阿寒湖北部のチュウルイ湾、一般の人立ち入り禁止地帯にマリモの生育地がある。以前はアイルランドにも生育していたが、突然消滅。ユスリカの幼虫がいなくなったため。今ではマリモ群生は阿寒湖だけ。はじまってすぐ丸いマリモを一刀両断2つに切る。ええっ。だって生き物みたいなのに。

丸い形は光合成をする時、表面積が狭く、いちばん効率の悪い形。どうしてこんな形なのかずっと謎だったが、風の影響で、回転、さらに下に積もったマリモは動きながら上面に転がり飛び出す。7年かけて30cmの大きさになる。天敵のシオグサをぐるぐる回ることではがす。丸くなっていればいいのに、壊れ、ちぎれるマリモ、5〜7年周期で起こることらしい。それを海鳥が食べる。再生。撮影チームはマリモの生態をじっくり撮ることだったが、再生もまたテーマになってきたとのこと。

 

来賓があると国旗を掲げるらしい
 

テント村訪問

休日も必ずどなたかが詰めています。一般の人がここまでしなければならないなんて。国会議員にしっかりしてほしい。
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