<こんにゃくの栄養>
こんにゃくは低カロリーで食物繊維がたっぷり!ダイエット効果抜群
97%は水分で、固形分は3%。でんぷんなどのエネルギー源となるものが少なく、サツマイモ、ジャガイモのカロリーの10分の1以下。食物繊維はレタスの約2.5倍。(共に生の状態。)増え続ける生活習慣病を防ぐのに有効なヘルシーフーズ。
日本人の食物繊維摂取量は約半分に減少
日本人が1947年1日27g摂っていた食物繊維は現在12.4〜18.0gに。2010年摂取基準は18才以上で1日男性19g以上、女性17g以上。
こんにゃく特有の食物繊維とは
食物繊維には大きく分けて水溶性(水に溶けるタイプ)と不溶性があり、上手に組み合わせて摂取することが大切。こんにゃくの繊維は食品成分表では大部分が不溶性とされているが、本体は水溶性のグルコマンナンのため、これがたくさんの水を吸着して強く膨潤し、特有な粘弾性をもつ半固体を形成。したがって、その整理効果は水溶性と不溶性の両方にまたがる。
*水溶性食物繊維の生理効果…けいれん性便秘予防、コレステロール低下、血糖値の正常化
*不溶性食物繊維の生理効果…弛緩性便秘予防、大腸がん予防
こんにゃくからカルシウム
こんにゃくのカルシウムは酸にとけやすく、体内に吸収されやすいため、効率よく摂取される。
こんにゃくが体の砂おろしといわれるのは?〜こんにゃくマンナンの優れたデトックス作用〜
こんにゃくを食べることで体に不必要なものを掃除するため「おなかの砂おろし」、「胃のほうき」などといわれてきた。こんにゃくに含まれる食物繊維・こんにゃくマンナンが、有害な物質が体内に入っても腸への停滞時間を短くすることができるため、体へのダメージは少なくなる。さらに、腸内細菌叢を改善するkとによって大腸がんや大腸ポリープなどの大腸疾患のリスクを低減させることが知られている。大腸には、100種類、100兆個もの細菌が生息し、これらを腸内細菌叢と呼ぶが、乳酸菌のような善玉菌だけでなく、悪玉菌もたくさんいる。食物繊維が多い食事は、それが善玉菌のよいエサとなりその発育を促し、結果的に悪玉菌の発育を抑える。そして排便促進作用とあいまり、大腸疾患を予防する。
<こんにゃくの美容効果>
こんにゃくはセラミド含有量bP
皮膚の一番外側の表皮、さらにその一番外側の角質層、その角質層の角質細胞のすき間を埋めているセラミド。その役目は保湿作用、バリア機能。セラミドは年齢とともに皮膚中の含有量が低下。化粧品で皮膚に塗布し補充する方法と食品として食べて補充する方法がある。こんやく芋には、植物の中でもっともセラミドを多く含有している。(乾燥重量にて)
こんにゃくを食べると角質層のセラミドが増える
セラミドを食べると、小腸から吸収され、スフィンゴイドという成分が身体の中にできる。皮膚まで到達し、表皮角質層のセラミドの産生を促進。セラミドの1日必要量は、成人で0.6mg程度、生芋こんにゃくであれば、60gから120g程度毎日食べればよい。
こんにゃくを食べるとコラーゲンが増える
こんにゃく芋に多く含まれるセラミドは、食べるとスフィンゴイドが身体の中にできあがる。これは、角質層のセラミドだけでなく、真皮のコラーゲンも増やす。
真皮のコラーゲンの状態は肌の張りや弾力性に大きく関係。真皮の繊維芽細胞を活性化して、コラーゲンなどの産生力を高めることは皮膚の老化や肌荒れを防止するのに重要。
こんにゃくはアトピー性皮膚炎を改善する
こんにゃく芋には多くのセラミドが含まれ、こんにゃくを食べることで表皮のセラミド量を増やす。表皮のセラミド量が増えること=アトピー性皮膚炎の原因がひとつなくなる。さらにアトピー性皮膚炎を悪化さえる要因としての食物アレルギーの除去食療法も行われてる。こんにゃくは食べものとしてアレルギー発症の報告は全くなく、アトピー性皮膚炎の患者が安心して食べられ、セラミドの補充が簡単にできる。
<こんにゃくは健康に良い>
こんにゃくはメタボリックシンドロームの救世主
生活習慣病の代表的なもの「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」「通風・高尿酸症」。これらの共通の背景に「肥満」、加えて高血圧、糖尿病、脂質異常症が重なった状態を「メタボリックシンドローム」と呼ぶ。それぞれの危険因子がまだ病気でない軽い状態でも、重な
ることで命にかかわる虚血性心疾患(主に心筋梗塞)や脳血管疾患(主に脳腫梗塞)を引き起こすリスクが高くなる。低カロリーで食物繊維が豊富なこんにゃくはこれらに役立つことが明らかに。
こんにゃくで肥満防止
こんにゃくは弾力性と歯ごたえがあり、シコシコとした食感、味染みがよいものがよいとされている。噛めば噛むほどおいしく、ゆっくりと食べるのに好都合。よく噛んで食べると、脳の視床下部にある「満腹中枢」が刺激され、腹八分目の食事で満足感が得られる。また、こんにゃくを料理に使うことで料理のかさを増やしたり、品数を多くできるので肥満予防に最適。
こんにゃくが糖尿病を防ぐ〜日本人の890万人が糖尿病、しかも年々急増している〜
糖尿病とは、血液中の血糖値が高くなり、コントロールができなくなる病気。つまり、耐糖性(上昇した血糖値を成城に戻す力)が劣化した病気。進行するまで自覚症状がなく、一度発病すると、全身に合併症をもたらすため、一生コントロールが必要。
糖尿病と食物繊維との関係についておくの実験結果が報告されている。こんにゃくマンナンの存在が小腸上部でブドウ糖の急激な吸収を抑制。低カロリーで食べ応えがあることから糖尿病のリスクファクターである過食や肥満を未然に防ぐ効果がある。
こんにゃくはコレステロール値を正常に保つ。〜高過ぎても低過ぎても困る血中コレステロール〜
血中のコレステロールが増えると、動脈壁にしみ込み動脈硬化に。心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。高カロリー・高脂肪の食生活は改善する必要がある。コレステロール値を正常にするための食事は摂取カロリーを調節し、脂肪を控えるとともに、食物繊維を積極的にとることがポイント。コレステロールは身体の細胞膜の原料となり、ホルモンの合成に欠かせないため、低
過ぎるのも問題だが、こんにゃくマンナンの作用はあくまでもコレステロール値を正常に維持する働きなので心配はない。
こんにゃくが便秘によいといわれる理由〜便秘を解消し、おなかすっきり〜
便秘の原因、食物繊維の摂取不足、朝食を抜く、不規則な食事、運動不足、ストレスなど。弛緩性便秘と痙攣性便秘がある。弛緩性便秘は、大腸のふん便輸送力が遅延しているもので、粘膜の刺激感受性が弱まり、排便反射の起こり方も弱まっている。それには、セルロース、ヘミセルロースのような不溶性食物繊維の多い食事がよいとされている。痙攣性便秘には刺激が強すぎると痙攣が起こり、かえってよくないので、こんにゃくのような生理効果をもつ食品がよいとされている。こんにゃくは、やんわりと大腸を刺激し、排便反射を高め、おなかをすっきりさせる。
こんにゃくはロコモティブシンドローム予防や骨粗しょう症予防に役立つ
体を動かす機能がうまく働かないことで、歩行障害になった状態や、歩行障害になる危険性が高い状態を「ロコモティブシンドローム」という。食生活の中ではカルシウムの不足が長期にわたると、骨がスカスカになる骨粗しょう症を招く。
こんにゃくはピロリ菌を除菌する
ピロリ菌は、強いウレアーゼを産生して尿素を分解してアンモニアをつくり胃酸を中和し、胃粘膜に定着する。ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、MALTリンパ腫などの発生につながると報告されている。現在、世界人口の40−50%程度がピロリ菌の歩菌者。日本では40才以上での保菌者は70%を越えている。ピロリ菌を除菌すると、胃がんの予防になり、積極的な除菌が望まれている。ただし、抗生物質などによるピロリ菌の除菌には副作用があり、耐性菌の発現もあり、年々その効果が悪くなっている。そこで食品によるピロリ菌の除菌に注目が集まっており、ヨーグルト製品が販売されている。こんにゃくにもピロリ菌に対する抗菌作用があり、その作用は、低濃度で強い抗菌活性がある。スナネズミを用いた試験では、胃上皮へのピロリ菌の付着阻害おようび定着阻害作用があることも分かっている。こんにゃくを毎日食べると、胃の中のピロリ菌がいなくなっていく。
花粉症にも効果あり
日本での患者数は、人口の4割といわれる花粉症。
こんにゃく芋に含まれるセラミドの2大機能【保湿作用】【バリア機能】。セラミドを食べて表皮のセラミドを強化すると、アレルゲンの身体への侵入が少なくなり、花粉症だけでなく室内のほこりに対するアレルギー反応が少なくなることも報告されている。セラミドのもつバリア機能が発揮された結果。
(以上、(財)日本こんにゃく協会の冊子から抜粋)